引っ越し・新築祝いのマナー

住宅

引っ越し・新築祝いについての基礎知識

知り合いが新しく引っ越して居を構えた時には、新生活の門出を祝うという意味で何か贈り物をするのが望ましいでしょう。

新築祝いや引越し祝いは昔から行われている習慣ですし、専用のギフトセットも多くのお店で販売されています。

ところで「新築祝い」と「引越し祝い」は同じもののようで実際には少し意味が異なります。
水引きを付けて贈る場合には、表題にいずれかの文字を記載することになりますので、まずは言葉の定義をしっかり理解して間違いのない言葉を選びましょう。

まず「新築祝い」ですが、これは個人としてマイホームを新たに建築した場合や、会社や事業所が新しくビルを立てたり買ったりした場合に使用される言葉です。
新築の場合は他にもお祝いごとがあり、地鎮祭や内覧会、上棟式に呼ばれた時もお祝いが必要になることがあります。

地鎮祭の場合は「祝 地鎮祭」、「地鎮祭 お祝い」として、上棟式は「祝上棟」、「上棟式御祝」としてお祝いを渡します。
内覧会ではほとんどの場合お祝いは渡しませんが、他の機会にお祝いを渡せなかった場合は一緒に渡してもいいでしょう。
ただし、内覧会は建物の建築が問題ないか確認する作業がありますので、お呼ばれ気分ではなく、しっかりとチェックしましょう。

分譲マンションの場合、建築そのものは先に行なってそれから順次引っ越しをして中に入居をしていくことになりますが、新築で購入したマンションであれば「新築祝い」として扱われます。

一方の「引越し祝い」は基本的に中古の住宅や事務所に入居するときに使用されます。
中古住宅や事務所を購入してそちらに入る場合にはいずれも「引越し祝い」となります。

微妙なのが既に住んでいる住宅を大規模リフォームした場合や、新たに購入した物件にリフォームをしてから入居する場合です。

まず既に使用している住宅をリフォームした場合ですが、「改築祝い」という言葉を使うことが多いようです。
最近は完全に建て直すのではなくリフォームをしてもとの住宅の構造を活かして建築する方法が一般的になっているので、「改築祝い」として贈るケースは増えてきています。

次に中古で購入した住宅をリフォームしてそれから入居をする場合ですが、こちらは「新居祝い」といった言葉がよく使われます。

判断が微妙な場合はあまりはっきり題字をつけず「お祝い」といった言い方にしておくと安心です。

なお賃貸住宅から賃貸住宅への引っ越しは厳密には「引越し祝い」ではありません。
その場合もあまりはっきりと題字をつけず「お祝い」や「餞別」といった言葉が使われることがよくあります。

引っ越しにおける縁起物とは

「新築祝い」や「引越し祝い」など住居に関するお祝いの品物の定番となっているのはタオルや傘立て、観葉植物といったものです。

他にもダストボックスやティッシュケースのような室内で使用できるインテリアや小さめの家具などは喜ばれます。

ただしインテリア関係は趣味が分かれるところですので、他のインテリアの邪魔をしないように奇抜なデザインは避けるのがよいでしょう。

逆に避けるべき品物として「火」に関連するものがあります。
日本においては木造住宅が多く住宅が密集しているため火事が起こると甚大な被害となってしまうので、それを連想させる品物は絶対にタブーとされています。